各国における選挙世論調査研究の法的規制について
　　　　　　　　　（『選挙研究』、第８号、１９９３年、１１９−１３５頁）
　
　本論文では、世界５４国の選挙世論調査に対する規制を調査し、規制の程度に
応じて３類型に分類した。そしてフランス、ベルギー、スペインなどの事例を調
べた結果、世論調査規制の特徴として
　１）サンプルの大きさ、調査方法、誤差の範囲などの基準の強制的添付
　２）「世論調査委員会」の設立
　３）投票前一定期間の調査結果の公表禁止
の３点が共通的であることが分かった。
　一方、規制の是非に対する議論についての特徴は以下の３点にまとめられた。
　１）選挙の誤予測やある政党の地滑り的勝利など政治的事件が議論の端緒であ
る
　２）禁止法律案は議員提案が多く、彼らは調査結果公表の影響を強く信じてい
る
　３）公表禁止期間は国によってまちまちである
その他、規制を求める理由や規制に反対する理由についても考察している。